
事件名:取手市立藤代南中学校いじめ自殺事件
事件発生日:2015年11月11日
発生地域:茨城県取手市
事件概要:当時中学3年生の女子生徒が、いじめを苦に、自宅で自殺を図った事件。
市教委によると、女子生徒は昨年11月11日未明に自宅で自殺。市教委は同12月、生徒にアンケートや聞き取りを行ったが、「いじめは認められない」との結果を出した。
これに遺族側は納得せず、独自に調査を実施。いじめがあったとして今年2月10日、市教委に第三者委の設置を求めた。
加害者達のいじめ行為
女子生徒は同級生の女子生徒から「くさや」と呼ばれたり、耳打ちされたりしていた。
自殺した女子生徒の日記帳には「いじめられたくない。(ひとり)ぼっちはいやだ」「お願いだから、耳打ちはやめて」「毎日が怖い」などと書かれていた。
このとき、中島さんは具体的な何かを口にしたわけではない。だが、後に両親に渡されたアルバムには「きらい」「うざい」「クソやろー」「うんこ」「クソってる」という同じクラスのA子さんとB子さんによる寄せ書きがあった。
5月、A子さんらのグループにいた中島さんは、素行が悪かったA子さんから距離をとるような態度を取ったところ、A子さんから「菜保子に無視された」とクラスメートに悪口を言われ、無視されたことがあったのだ。
7月ころからは、クラスメートの前で「きもい」「うんこ」「クソやろー」などと公然と悪口を言われるようになった。
2学期になった9月には休み時間、これ見よがしにヒソヒソ話をしたり、「くさや」などと耳元でささやくなどした。
同級生らの話によると、いじめがひどくなったのは2学期から。B子さんが4月まで交際していたA君の隣に中島さんの席があり、仲が良さそうに話していたのをB子さんがA子さんに相談したことがきっかけだった。
このころになると、「行くよ」とA子さんが声をかけて、トイレや水飲み場に中島さんを誘い、授業が始まっても教室に入らないといったことが連日あった。A子さんとC子さんが中島さんを連れてトイレにいる間、B子さんがA君と隣り合って話していることがあったという。
10月には「くさや」と書かれたメモをノートに貼る。「くさや」と声をかける。机の上に落書きがあったのを見つけた中島さんが、暗い顔で消していたのを複数の同級生が見ている。「くさや」と書かれていた。「くさい」「くさや」といった悪口は、ほぼ毎日続いた。
2学期の前半、A子さんがあえて強く中島さんの肩を「バンバン」と離れていても音がはっきり聞こえるほど、大きな音で叩いているのをある同級生が見ている。
音楽室で行われていた合唱祭の練習の際にもC子さんが中島さんを別の生徒の前に引っ張ってきて「この子、臭くない? 」と言った。
また、ピアノを弾いている中島さんとクラスメートが会話をして盛り上がっていたことがあった。級友が振り返る。
「『なお、すごいよね』と言っていつもそばにいるA子、B子、C子じゃないメンバーで盛り上がっていたことがあったんです。面白いことを言って笑ったりしていたら、A子もC子も『えっ? えっ? 何が? 』みたいな感じで、面白くなさそうにしていたことがありました」
10月には体育の授業中、試合形式でバスケットボールのチーム決めをしていた際も、A子さんらが相談して、中島さんを外すようにグーパーじゃんけんをした。授業終了時、下駄箱のところで中島さんは泣いていた。
あるとき、トイレに行っていて授業に遅れたA子さん、C子さんと中島さんが教室に入ったとき、担任教諭が中島さんだけを前に呼んで「前に来なさい。遅れた理由を言いなさい」と生徒たちの面前で叱ったことがあった。これは「5、6回あった」(同級生)という。
ある生徒は「中島さんを狙い撃ちにしている感じで、A子さんたちも英語のT先生の授業の前にことさら遅れていた」と話す。
なぜT教諭は中島さんだけを強く叱ったのか。ある生徒は「スクールカーストで言えば、A子さんたちは最上位のグループで、敵に回すと面倒くさい感じ。生徒たちも次は自分、ってなるのが分かっているから、いじめを止められなかった。中島さんはまじめなので、叱りやすかったんだと思う」と回想する。
中島さんが午後4時ごろ、ガラスを清掃しているのを目撃した生徒がいる。中島さんは「私は悪くないのに」「関係ないのに呼ばれる」と頭を抱えたり、不満を口にした。
ガラスを割った当人のA子さんは手にけがをし、ガラスの掃除には参加していなかった、と話す生徒もいる。いずれにせよ担任のT教諭や教頭に次々に叱られた中島さんは「A子とC子が割ったのに…」と言って泣いていたという。
加害者の処分
なし
教師等の処分
なし
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