いじめのターゲットになった原因は何かしら存在する。
いじめっ子は、いじめる子をルーレットで決めている訳ではないからだ。
だからといって、自分を責める必要はない。
いじめっ子の価値観を尊重して、自分の価値観をないがしろにする理由はないからね。
ただ、君は、結果として、いじめっ子に興味や好意を抱かせる言動、または、いじめっ子をイラつかせる言動を取り、いじめの被害を受ける事態になった。
他方、いじめっ子は、結果として、君の言動に、興味や好意を抱き、または、イラつき、いじめをする事態になった。
今後、再びいじめのターゲットにならないようにするためには、力をつけ、いじめっ子たちを、ぶちのめしていくか、いじめっ子たちが興味や好意を抱く言動またはイラつく言動を取らないように気を付けるしかない。
君が背負うべき問題ではないけれど、はっきり言っておく。
この社会は、不完全な人間たちが作り上げている不完全な社会だ。
不平等で、不公平で、沢山の理不尽がまかり通っている。
でも、その現実から目を逸らして、不平不満を言っても、問題は何も解決しない。
君は、君自身の行動にだけ責任を取れば良い。
社会に悪がはびこっていても、「自分はしたくない」と思うなら、しなければ良い。
他人は関係ない。
君は君だ。
しかし、自分を貫いて、迫害される状況を招いてはいけない。
なぜなら、迫害されると、どんなに強い心も、美しい心も、荒んでしまうからだ。
そして、そうなれば、今度は、自分よりも弱い存在を見つけて、いじめをするようになる。
だから、そうならない為にも、この機会に「自分を守る術」をしっかりと身に着けておこう。
自分を守る術、それが「いじめ回避スキル」だ。
いじめを回避する方法
いじめを回避する方法は、主に以下の4つだ。
1 「強そうに見える人」になる
2 「強そうに見える人」の子分になる
3 個性を出さない
4 アピールしない
一つずつ説明していこう。
一つ目は「強そうに見える人になる」だ。
「強そうに見える人」はいじめられるリスクが低い。
もちろん、「強そうに見える人」がいじめられることもある。
だからといって、0か100で考えてはいけない。
社長をいじめようとする平社員は滅多にいない。
入れ墨だらけのゴリゴリマッチョに因縁をつけて説教を垂れるサラリーマンも滅多にいない。
ボスママの身勝手な主張に正論をぶつける新米ママはドラマの中にしかいない。
バッジをつけたおじさんの胸ぐらを掴んで恫喝するヤンキーもいない。
彼らのように「強そうに見える人」になれば、匿名掲示板やSNS以外の場所でいじめられるリスクは間違いなく減る。
君は、彼らみたいになるのは難しいと思うかも知れない。
でも、そんなことはない。
「強そうに見える人」になるためには、強そうな人を演じれば良いだけなんだ。
周りの人に「この人は強者であり勝者である」と認めさせる演技力、それさえあれば良い。
弱くても「強そうに見える人」にはなれる。
実際に、強そうに見える殆どの人が、ドラマや映画の登場人物や強そうに見える先輩の猿真似をしているだけのハッタリ野郎だ。
おじけづく必要はない。
化けの皮を剥がされない程度に、美しくハッタリをかましていこう。
二つ目は「強そうに見える人の子分になる」だ。
これは簡単。
「強そうに見える人」の話に同調して、ひたすら褒めてあげれば良い。
もちろん、腹の底でどう思っていようが関係ない。
いじめに加担してしまうリスクは増えるけど、いじめられるリスクは間違いなく減る。
従順な子分は、周囲の顰蹙(ひんしゅく)を買っても、「強そうに見える人」に守って貰えるんだ。
3つ目は「個性を出さない」。
「こういう人でありたい」「こういう私を認めて欲しい」という思いから、身振り、手ぶり、表情で自己表現をしたり、言葉や文章で自己主張をしたりすることは誰にでもある。
でも、その思いが行き過ぎたものになると、異なる感覚を持った相手の精神的負担は大きくなってしまう。
だから、個性を出すのは、ほどほどにしないといけない。
個性を出す相手も選ばないといけない。
異なる文化や価値観に触れて、感性を育てることは良いことだ。
でも、その文化や価値観を受け入れる側にも、心の整理と、それに要する時間が必要なんだ。
例えば、君のお父さんが女性用の下着を着けるのが趣味だとしよう。
お父さんは君の驚きに対して「誰にも迷惑をかけてないんだから良いじゃないか」と言うかもしれない。
しかし、白いYシャツを着て出勤していて、女性用の真っ赤な下着が透けて見えていたら、君はどう思うだろう。
きっと、お友達に見られないか心配でたまらない筈だ。
社会は「多様性を尊重しよう」と言うけれど、その言葉を信じ、個性を丸出しにして「変な人扱い」をされても、その責任は取ってくれない。
だから、そんな無責任な言葉を鵜呑みにせず、自分でいじめを回避しようと思ったら
いきなり黒魔術を披露してはいけない。
いきなり特殊な一人称や語尾を使ってはいけない。
いきなりメンヘラキャラになって、暗いことばかり話してはいけない。
いきなりリーダーシップを取ろうとしてはいけない。
勘違いしてはいけない。
劣等感を解消しようとしている様を見せてはいけない。
見下す言動を取ってはいけない。
自慢話や自分語りをしてはいけない。
決意表明ばかりしてはいけない。
愚痴や陰口を言って友情を育もうとしてはいけない。
誰かを恨み続けている姿を見せてはいけない。
根拠が乏しい話を披露しない。
苦手なことを克服しようとしない(やる気のない)態度を見せてはいけない。
「これが俺」「これが私」という態度を取れば、何かしらの反応は返ってくる。
でも、その反応は必ずしも「君が求めるもの」とは限らない。
それどころか、嫌悪感を抱かれて、深刻ないじめに発展する可能性がある。
だから、個性は、自分自身との対話の中で作り上げ、仲良くなってから少しずつ披露していこう。
最後が「アピールしない」。
恋愛感情や恨み、または嫉妬心を抱かれないようにするためには、以下の言動に注意しよう。
1 「私、可愛いでしょ」アピール
2 過度な肌の露出
3 「クラスのアイドル」として認知される言動
4 「私、凄いでしょ」アピール
5 優れた点数の公開
6 勝利者インタビュー的な質問に対する回答
7 「英雄」として認知される言動
8 「成功者」として認知される言動
9 「性的な魅力がある人」として認知される言動
10 「モテる人」として認知される言動
11 「幸せな人」として認知される言動
君は「なんて生きにくい世の中なんだ」と思ったかもしれない。
でも、これが現実だ。
人は、種の存続をかけた「競争」の中で生きている。
そして、傷ついた心と、傷ついた心によって作られたルールを持っている。
だから、こう思う。
「生まれ持ったものは変えられないのに、顔で勝負するなんてズルい!顔が整ってるからモテているだけじゃないか!ルール違反だ!中身で勝負しろ!」
「体質は変えられないのに、ボンキュボンで勝負するなんてズルい!何の努力もしてないくせに!ルール違反よ!はしたない!」
「親は選べないのに、金に物を言わせる言動を取るなんてズルい!ルール違反だ!知恵で勝負しろ!」
「高いお金を払って教育して貰ったんだから強くて当然じゃないか!それなのにマウントを取るようなことを言いやがって!俺と同じ環境だったら、俺よりもできなかった筈だ!」
「〇〇さんと仲良さそうに話すなんてズルい!みんな我慢してるのに一人だけ抜け駆けするなんてルール違反よ!協調性がないのかしら!」
つまり、アピールをして敵視された君は、相手から「ルールに違反する言動を取った恵まれた人」だと思われているんだ。
本当にめんどくさいね。
でも、傷ついた相手の心に配慮して、譲ってあげられたら、君は一皮剥けるんじゃないだろうか。
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