パパが、パパとしてお前に言えることだけが本当のことだと思う。
お前を愛する気持ちに嘘は一つもないからだ。
逆に、パパが、パパとしてお前に言えないことは嘘だ。
他所の子供にも言ってはいけない。
だから、お前に言えることだけを
お前に伝えるつもりで書くよ。
シン・いじめ撲滅「人を見下す癖を治す方法」
娘よ。
人が、人を見下してしまうのは、どんな時かわかるかい?
答えは単純さ。
見下されて自信を失っている時や、他人と比較して劣等感を感じている時だ。
つまり、人は、人を見下すことで、優越感を得ようとしたり、自己肯定感を高めようとしたりするということだよ。
自慢話やマウント発言という形で表れることもあるね。
対抗意識や嫉妬心は、その過程で生まれる。
でも、もしかしたら、人を見下し続ける人が、自信家に見える瞬間もあるかも知れない。
でも、実際は逆だ。
その人は「人を見下す中毒」になってしまっているだけなんだよ。
人を見下す発言をすると、心は「自分は有能である」と解釈し、快感を得る。
そして、その時の気分が忘れられず、人を見下し続けるようになってしまうんだ。
だから、もし、誰かから見下されたら「この人は私の悪口を言ってないと正気を保てないくらい悲しい経験をしたんだな」「私が持っているものが、羨ましく思えてしまうのかも知れないな」と考えてあげよう。
その解釈は、相手を見下すことにはならない。
最大のリスペクトだ。
仮に主張に正当性があっても、「見下す」という態度自体には正当性などない。
なので、罪を憎んで人を恨まずの精神で、そのような態度を取るに至った気持ちを汲み取ってあげる、ということだよ。
いいかい?
見下すこと自体には正当性などないんだ。
では、本題だ。
人を見下す癖を治す方法。
今から、それを伝授する。
大切なことだから、よく覚えておくように。
娘よ。
お前は、既に沢山のものを持っている。
絵を描く才能、ゲームの腕前、あまり好きではないお勉強を根気強くやってきた実績。
パンチやキックも強烈だし、口も達者だ。
顔や表情だって、親馬鹿かも知れないけど、とっても可愛いよ。
そして何より、パパが疲れている時に「お手伝いしようか?」と声をかけてくれたり、抱きしめてくれたり、自分の分を少なくよそったパパのおかずを見て「あげるよ」「ちゃんと食べなさい」なんて言ってくれたりする、温かさがある。
お前は、恵まれているんだ。
おまけにまだ若い。
時間もたっぷりある。
いいかい?
まずは、自分が持っているものを確認することだ。
持ってないものばかりを考えてはいけない。
お前にはお前の良さがある。
育ってきた環境が違う他人と比較したって無意味なんだ。
でも、驕り高ぶってはいけない。
劣っているなどと思うのはもっといけない。
正しく見ることが大切なんだ。
娘よ。
持ってないものを持てるようにすることも、時として必要だ。
だから、持ってないものも少し意識する。
ただし、持ってないものを並べたら、その分、持っているものも並べるんだ。
持ってないものだらけだと思って、落胆してしまったら、やる気が失せてしまうからね。
心の健康は絶対に守らないといけないよ。
心が不健康になってしまったら、冷静に考えることもできなくなってしまうからね。
娘よ。
指摘や批判ばかり、怒られてばかり、だったら、誰だって嫌になってグレちゃうよな。
じゃあ、どうしたら良いと思う?
そうだ。
褒めることだ。
それはね。
自分に対しても同じなんだよ。
他人にできても、自分にできなかったら、どうしようもないじゃないか。
娘よ。
向き合っているものが自分であっても、指摘や批判ばかりではいけない。
自分を責めることは、自分に対するモラハラなんだ。
相手が、他人だったら、指摘したり、叩いたりしてばかりでは、いけないと分かる筈だ。
それと同じなんだよ。
正しい道に進みたいと思うなら、自分のことも褒めてあげないとね。
良くないところを見つけた分だけ良いところも見つけよう。
自分への思い遣りは、他人への思い遣りにも繋がる。
自分に厳しくし過ぎると、他人にも厳しくなるものなんだよ。
でも、皆が強い訳では無いだろ?
だから、合わせてあげないといけない部分もあるんだ。
娘よ。
八方美人になれとは言わない。
いや、なるべきでもない。
正義と悪は紙一重だけど、絶対的な悪というものは未だ残っているんだ。
覚悟を決めて戦わなければいけない時もある。
もちろん、お前が戦わなければいけないという訳では無い。
いや、戦わなくていい。
親としては、そんな苦労はして貰いたくない。
しっかりと見届けて、お前なりの解釈をすれば、それでいい。
ただし、戦う者達の足を引っ張ることはしないように。
それだけは絶対にしてはいけない。
何故かって?
お前にだけは、そういうことをして貰いたくないんだ。
だから、もしも、それをしてしまいそうになったら、「人を見下す癖を治す方法」を思い出せ。
もし、誰かから見下されたら…の部分は、自分の心を守る術としてもとても有効だと思う。
絶対に態度に出さないことが重要だけど。
自分が持っているものを確認する時にも、持ってないものをあげる時も、誰かと自分を比べないこと。
自分にはこんな良いところがある。けどちょっと足りないところもある。
そういえば、あの人のこんなところは素敵だと思ったから真似してみよう。
そんな風に考えた方が前向きに向き合える。
それから、持っていない何かを身に付ける努力をした時は、これしか出来なかった。ではなくて、ここまで出来るようになった。って自分を評価しよう。
元々出来なかったことが少しでも出来るようになったんだから、頑張った自分を褒めてあげよう。
そうすれば次もまた頑張れる。