事案概要
2020年11月 町田市の小学校に通っていた小学6年生の女子児童が遺書を残して自殺
2021年2月 いじめの重大事態として取り扱うことが決まる
2021年3月16日 第三者委員会が設置される
2021年10月 第三者委員会が「自殺といじめの因果関係は不明」とする経過報告書を遺族に提出
2021年11月10日 再調査委員会が設置される
2024年2月21日 再調査委員会が報告書を取りまとめ、町田市長に答申
報告書の内容
今回の報告書で、調査委員会は、亡くなった児童に対する複数のいじめがあったと認定しました。
具体的には、
▽2人の同級生が、児童が亡くなる前の7月から9月にかけて、「友人関係を解消する」と通告したあと、「ドッキリでした~」とふざけのように装うことを、少なくとも5、6回行っていたことや、
▽この同級生2人が、チャットで児童について「うざい」「死んでほしい」などとやり取りしていたことで、これについては、児童がたまたま見ていたとしています。
さらに、誰がやったかは特定できないものの、
▽悪口を書いた紙が机に入れられた行為があり、
これらが、いじめに該当するとしています。
そして、いじめと自殺との因果関係については、
「ひとつひとつのいじめが自死の原因となったのではなく、安全安心な学級が形成されず、長期間人間関係のストレスにさらされたことが児童が心を弱らせる一因となった」としたうえで、
「重大事態の原因は複合的で学校要因も一因だが、これのみが自死の原因とは特定できない」と結論づけました。
遺族の受け止め
調査委員会が報告書を答申したことを受け、女の子の遺族が代理人の弁護士を通じてコメントを出しました。
この中では「再調査が決まった際、強行な進め方に納得しない思いでしたが、他方で、ようやく調査が開始されるという期待もありました。しかし極めて重要な証拠となる録音データを確認することもないなど、調査としては不十分・不完全だと考えています。また事実とは違う記載ばかりが盛り込まれ、非常に不信感を抱いています。市の対応はいじめに向き合う姿勢がなく疑問と怒りしかありません。私たち遺族は娘に何が起こっていたのか真実を明らかにしてほしい、ただそれだけです」などとしています。
引用:NHK【東京 町田 女児自殺 いじめ認定も“原因特定できず”と報告書】
学校と市教委に対する
遺族の不満について
・学校は、私たち遺族が「いじめ」の事を訴えても、「いじめ防止対策推進法の重大事態調査」についての説明がなされることはありませんでした。
・再三の申し入れで、娘が亡くなって、三か月後にようやく「重大事態」として取り扱うことになりました。
引用:[公式]町田市いじめ事件【第三者委員会の調査について】
→ 女子児童は、いじめが疑われる内容の遺書を残している。遺族が、この遺書を、女子児童が亡くなって間もない頃に、学校側に見せていたとすれば「女子児童が亡くなって3か月後の調査開始」は、遅いと言わざるを得ない。
・校長からの報告も教育委員会からの説明もありませんでしたので、遺族側から調査委員会の事を尋ねると、校長は渋々なんと第一回調査委員会の前日の3月15日に、初めて調査委員会のメンバーをfaxで送って来ました。遺族は、その冷淡な扱いと対応に驚きました。保護者会でも「調査委員会については発足したらお知らせする」と公言していたのに、内密に話が進められている様は、とても信じられませんでした。
引用:[公式]町田市いじめ事件【第三者委員会の調査について】
→ 調査組織を設けたのが学校であれば学校長は、調査組織を設けたのが市教委であれば市教委担当課長は、調査委員が決定した時点で、遺族にアポを取り、後日、自宅を訪問して、直接報告するべきだった。
・そして委員会の構成や運営方法などに疑問があり、独立性や専門性の高い調査委員会を求めました。何故なら遺族側が発見したことですが、調査委員会のメンバーの中に、加害者と関係のある人物が入っていたからです。その指摘についても、遺族が納得できるような返答はありませんでした。
引用:[公式]町田市いじめ事件【第三者委員会の調査について】
→ 当該調査委員が、どの程度、関係児童と関係があるのかが不明である為、当該調査委員の人選が調査の公平中立性を害するものか否かの評価ができない。
・調査について、国のガイドラインに基づき説明を求めてきましたが、教育委員会は私たちになかなか会おうとせず、十分な説明を受けることもできませんでした。
引用:[公式]町田市いじめ事件【第三者委員会の調査について】
→ 積極的に会おうとしなかったことを問題視しているのか、それとも、遺族の求めに対して消極的な態度を取ったことを問題視しているのか、不明。仮に後者であっても、面会を求めてから面会日を設定するまでに何日間掛かったのかも不明である為、不適切な程、面会を先延ばしにしたか否かの評価ができない。
・その結果、はじめから不信だらけの28条の調査委員会と遺族が一度も面談する事はありませんでした。
引用:[公式]町田市いじめ事件【第三者委員会の調査について】
→ 市教委に対して不信感を持ったことが、なぜ、公平中立とされる第三者委員会と面談をしない理由になるのかが不明である為、面談しなかった事の責任がどちらにどの程度あるか評価できない。
第三者委員会に対する
遺族の不満について
・こんな状況なのに、2021年10月に調査委員会は、一方的に「自殺といじめの因果関係は不明」と経過報告書を出しました。
引用:[公式]町田市いじめ事件【第三者委員会の調査について】
→ 本文に書かれた内容だけでは、面談(聴き取り)しなかった責任がどちらにどの程度あるか評価できない。家族に聴き取りができない以上、因果関係は不明とするしかない。
・遺族はこの経過報告書を受け取らず、「もう一度28条の調査委員会をやり直して欲しい」と教育委員会に訴えました。そして、その足で文科省に出向き、上記の内容を訴えて記者会見をする流れになりましたが、遺族の要望は聞き入れられず、2021年9月に町田市長の記者会見で「町田市長部局が立ち上げる調査委員会を設置する。」と突如として発表しました。
引用:[公式]町田市いじめ事件【第三者委員会の調査について】
→ 公平中立性が担保されていない証拠が示されていない為、28条(重大事態)調査のやり直し要望が妥当であるか否かの評価ができない。
再調査委員会に対する
遺族の不満について
・町田市長部局が立ち上げる調査委員会ですので、「遺族推薦の委員を中立的立場の弁護士会に要請したい。」と町田市に進言しましたが、認めてはもらうこともありませんでした。
引用:[公式]町田市いじめ事件【第三者委員会の調査について】
→ 遺族の推薦を受け入れて委員を選任すれば、調査委員会の公平中立性は著しく損なわれる。
・私たちは、調査委員会に娘に何が起こっていたのか、はじめから全てを正直に話し、真相解明を求め、証拠となる全ての録音や、あらゆる資料、文章を提出しました。しかしヒヤリングの中では、今までに聞いた事のない遺族の発言とされる質問など、事実と違う事を調査委員会に質問されました。
引用:[公式]町田市いじめ事件【第三者委員会の調査について】
→ 「今まで聞いた事のない遺族の発言とされる質問」は、調査に応じた誰かの証言に基づいた質問であり、調査委員に非はない。
・遺族側が提出した録音データについて質問をすると、調査委員長からは確認していないとの回答があり、不誠実な力が働いていると強く感じました。
引用:[公式]町田市いじめ事件【第三者委員会の調査について】
→ 録音データを確認せずに答申したのであれば、職務怠慢と言わざるを得ないが、遺族は反訳書を提出しなかったのだろうか。
・調査委員会があまりにもヒヤリングが少ないように感じたので、私たちは「どうして娘の遺書に載っている児童等へのヒヤリングをしてくれないのですか?」と聞いたら、ある委員が「加害者の人権があるので・・・」と言いました。私たちは、どこかで聞いた事のある言葉だと思いました。
引用:[公式]町田市いじめ事件【第三者委員会の調査について】
→ 調査に応じるか否かは任意であり、強制ではない。したがって、関係児童の保護者が拒否をすれば、ヒアリングはできないことになる。拒否されたことをもって「人権があるので」という発言をしたのであれば、言えないことを間接的に伝えようとした親切な調査委員である。拒否されてもないのに、「ヒヤリングをしない」という判断をしたのであれば、職務怠慢である。
・自死に至るまで、学校側が保護者にイジメの事実を知らせていなかった事などが、法律違反だと感じているのに、亡くなってしまった娘に責任を押し付け、平然と学校側はこう主張するのです。「いじめの事実を保護者に言わなかったのは、娘さんが親に言わないで!と言われたから。」
引用:[公式]町田市いじめ事件【第三者委員会の調査について】
→ いじめ防止対策推進法第23条1項が定める通報義務は、学校への通報義務のみであって、保護者である親への通報義務はない。
・もっと言えば、「重大事態」の判断や調査委員会を設立する権限の全てが、調査対象である教育員会や学校が、判断するのは全くおかしな事だと思います。報告書が中立、公平になるわけがないし、学校側が加害者と共謀して隠蔽する。そして教育者が嘘を付く。誰も責任を取らない。これではいじめも、なくなるわけが無いと私たちいじめ自殺で娘を亡くした遺族は、とても深く、強く憤っています。
引用:[公式]町田市いじめ事件【第三者委員会の調査について】
→ 調査委員会の設置権限は、いじめ防止対策推進法で定められている。第三者委員会は、学校又は市教委が設置するが、再調査委員会は、市民に選ばれた市長が設置する為、学校と加害者が共謀するだけでは隠蔽できない。また、学校と加害者が共謀した証拠が示されていない為、隠蔽があったか否かについても評価できない。
遺族が主張する
当該女子児童が
自殺に至るまでの
経緯について
・それは、小学校四年生の頃から始まったそうです。娘が、自分の好きな同級生の男の子に告白したのがきっかけで、人気のある男の子で、その男の子を同じように好きだった女の子たちなどから 「〇〇(娘の名前)イキッてる!!」などと陰口を言われるようになったそうです。娘が亡くなった後、同級生の児童が教えてくれました。
→ この件が「いじめとして認定された」という報道は確認できない。事実であれば、社会通念上のいじめと評価できるが、当該女子児童が認識していたか否かが不明である為、いじめ防対法「いじめ定義」の主観的要件を満たさない。したがって、直ちに、いじめと評価することはできない。
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・五年生になると、女の子同士受験ストレスで荒れ始め、毎日誰かが交代で、いじめられては仲間外れにされ、クラスのムードは最悪だったようです。担任の先生について、娘は、当時、「何もしてくれない!!あんなのは先生じゃない!!大嫌い」と、とても怒っていました。
→ 担任教師が、いじめを意図的に放置していたのであれば、いじめをしていたとされる児童以外のクラスメイト全員に対する心理的虐待といえるが、そのことを裏付ける証拠は示されていない。
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・その頃、授業参観に行くと………私は衝撃的だったのを今でも覚えていますが、女の子の一定の子どもたちがあるブランドの服をみんな着ていて、過半数の女の子が同じ様な服で驚きました。私は、娘になんでみんなあのブランドの服を着ているの??と聞くと、娘は「流行っているからだよ。」と言いました。娘も頂き物のそのブランドの服を着て登校していたし、確かにそのブランドの服を欲しがっていました。しかし、後から知ったことですが、そのブランドの服を着てこないと、ある児童にいじめられるというのです。これは下級生や上級生の何人も話しています。
→ クラスの雰囲気が悪いことを示すエピソードではあるが、当該女子児童が、いじめのターゲットになった訳では無い。
・このようなことがあったとも聞きました。ある児童が、ネズミの駆除薬を学校に持ってきて、それを娘の牛乳の中に入れようとしたとか。先生の牛乳の中に入れようとしたなどの恐ろしい話もありました。後に保護者会では、何故か笑顔で、担任の先生は「〇〇(娘の名前)さんとは、関係ない話です。」と娘との関係を否定していましたが、ねずみの駆除薬を持ってきた事そのものを問題にするべきだし、この学校は、どれだけ問題が起きている事を隠そうとしているのだろう?とすごく違和感を持ちました。
→ ねずみの駆除薬を持ってきた理由が不明。また、どのような雰囲気で当該行為が行われ、当該女子児童がどのような受け止めをしたのかも不明。本文の情報だけでは、主観的要件を満たしているとは言えない為、直ちに、いじめと評価することはできない。
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・その他、5年生時の児童等はターゲットになった子の文房具を学校の池の中に落としたり、トイレに流すなどの行動が沢山あったと聞いています。娘が亡くなってから、友達や保護者が教えてくれました。
→ クラスの雰囲気が悪いことを示すエピソードではあるが、当該女子児童が、いじめのターゲットになった訳では無い。
・6年生になると、学校から、一人一台のタブレットが配布されました。タブレットを持ち帰った日は、娘は、部屋にこもるようになりました。家族が娘の部屋に入ると「(部屋に)入って来ないで!!」とタブレットを覆い隠すようになりました。一体タブレットの中で、何が起きているのか?それは娘が亡くなってから分かりました。仲良くしていたはずのある児童のタブレットを借りた授業中に、他の児童からの「〇〇(娘の名前)きもい、うざい、まじ死んで・・・」という文字を娘が見てしまったのです。娘がどういう気持ちでその文字を見たのか・・・想像を絶するほどショックだったと思います。そのショックを隠せず、娘は2名の児童に相談していました。
→ 詳細は不明だが、いじめと認定された。
・1.エクステドッキリ 大切なものだから預かっておいてと、娘にエクステを渡します。娘が席を離れるとこっそりエクステを奪って「私の大切なエクステどこへやったの??」と娘を責めていたそうです。真面目で責任感が強い娘は、どんなに焦り戸惑った事でしょうか?
→ その話を裏付ける証拠又は複数の証言が必要。
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・2.恋人ドッキリ 娘以外の友達は、「ほとんど恋人がいるんだよ。〇〇(娘の名前)だけだよ、恋人がいないのは!」と焦らすドッキリだそうです。とても疎外感があったと思います。
→ 当該女子児童が疎外感を感じていたことを裏付ける証拠又は複数の証言が必要。
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・3.親戚ドッキリ 加害者同士が、「私たちは親戚なんだよ。」と血縁関係の絆の強さをアピールするそうです。
→ ドッキリでも、いじめでもない。
・4.絶縁ドッキリ 仲良くしていたはずなのにいきなり、「帰っていいよ!絶交な!!!」と告げられる。何回かやられた絶縁ドッキリの一回は、公開処刑ドッキリだったそうです。クラスの子たちに声をかけ、「面白い物が見れるから放課後広場に来い!!」と脅され、広場に行くと娘が、絶交を告げられて泣いていたそうです。見物に来た友達に言ったそうです。「誰にも言うんじゃないぞ。言ったら分かってるだろうな・・・」その姿を見て怖くなって見物に来ていたお友達は、すぐ近くの我が家を通りすぎて帰ってしまったそうです。その時に誰かひとりでも、家のチャイムを鳴らして教えてくれたら・・・結果が変わっていたかも知れません。とても悔しいです。
→ 詳細は不明だが、いじめと認定された。
・5.死ぬ方法を考えさせる 娘に死ぬ方法を考えさせていたんだそうです。娘を殺す方法をイラストで記載した「殺し方ノート」の存在も娘が亡くなった後、明らかになりました。
→ その話を裏付ける証拠又は複数の証言が必要。
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・6.マスクを引きちぎる コロナ元年で、毎日マスクをして登校していましたが、いつもマスクの片方が切れていて、ウレタンのマスクを娘はいつも縫っていました。「出っ歯やニキビ面!!」などといじめられ、マスクをひっぱられていたそうです。
→ その話を裏付ける証拠又は複数の証言が必要。
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・7.2020.10月ごろ放送委員会の委員長決めの時に、娘と2人が立候補しています。この時に自分の進学の内申の為と「〇〇(娘の名前)は委員長なんて出来ないから私に入れて」と裏票を集めていたそうです。これは複数の友達が教えてくれた事です。そして娘は副委員長に立候補していますが、悔しがっていたそうです。
→ 競争においては許容される範囲の言動であると個人的には思う。
・8.2020.10月~11月には他の子たちからも無視をされ廊下ですれ違えば、毎日のように目の前でコソコソと悪口を言われクラスでもはぶかれて、娘は行き場がなくなってしまったのかもしれません。
→ その話を裏付ける証拠又は複数の証言が必要。
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・娘が亡くなる一週間前の修学旅行の当日の朝、娘はある児童と話すとだけ言い残し、近くの広場に学校集合の30分以上早く待ち合わせた様子で真っ暗の早朝、出かけて行きました。その時に何があったのでしょうか?その日の宿泊先のお風呂の時間には、娘は部屋に一人でいたそうです。その後友達が声をかけてくれてお風呂に入ったと聞きました。ある児童は、修学旅行の時、娘から、「ねぇ(修学旅行)楽しい?楽しい?」と聞かれたと言うのです。本当に楽しかったらそんな言い方で友達に聞いたりしないと思います。娘以外にもいじめられていた児童がいて、自ら修学旅行に来なかった友達もいたとのことでした。娘は「それっておかしいよね??」と言っていました。
→ 本文の情報だけでは、当該女子児童に何があったのかは不明。
・娘が亡くなった直後も、いじめのターゲットを探していると友達が教えてくれました。しかも廊下で堂々と「自殺する方が悪いよね!!!」とみんなに聞こえる様に叫んでいたそうです。
→ その話を裏付ける証拠又は複数の証言が必要。
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感想
現段階では、3項目のいじめが認定されたという報道以上のことは何も解らない。
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